突発性難聴と向き合うこと

突発性難聴(急性感音難聴)の記録です。

5_発症3日目〜6日目

入院し、ステロイドでの治療が始まりました。

ここからは、日々メモしていたことを元にまとめていきます。

 

【3日目/入院1日目のメモ】

午前中に転院
うごけない立てない
車椅子もつらい
嘔吐とめまい

聴力は最悪

めまい止めの薬を打ってもらいめまいは止んだ

 

「聴力は最悪」というのは、聴力検査した時の感想です。健康診断でやるような聴力検査のもう少し設備をしっかりしたような個室で行いました。

 

自分の感覚では左の耳からは全く音が聞こえず、『音が聞こえたら押してください』と手渡されたボタンを、いつまでたっても押すことができないことにとても悲しくなりました。左耳からはまだ濡れた道路をトラックが走る音のような不気味な耳鳴りしか聞こえません。

 

聴力検査の後病室に運ばれてすぐにステロイド治療を始めて、その日はずっと寝ていました。

 

 

【4日目/入院2日目のメモ】

ふらつきあり
左耳に蝉のような耳鳴りとときどきキーンとする
詰まった感じは相変わらずする

朝の検温38.0
昼の検温37.1

右耳を塞いでも女性の声が聞き取れる

水分をたくさん飲むと決める

 

お手洗いに行く際も看護師さんに車椅子を用意してもらい、ドアの手前まで連れて行ってもらいました。その後は自分でできるのですが、ふらつきがひどいのでやっとの思いでした。

手を洗おうと水道から出した水の音が今までと全然異なり、ザーザーという砂嵐のように聞こえて驚いたのを覚えています。

左耳から音が聞こえる瞬間が増えましたが、人の声を捉えても、その人が何を言っているかは全くわかりませんでした。

 

 

【5日目/入院3日目のメモ】

朝の検温37.1
ふらつきはある
短時間なら支えなしで歩ける

耳閉感は昨日よりはいいが、髪を耳にかけたりするときに「つまってるな」と感じる

耳鳴りは鈴虫みたいな音がする

 

この日から耳鳴りが変わりました。

いままでの低い音から、鈴虫のようなリンリンリンシャーシャーみたいな、音域が高くなり、それと同時に耳が塞がった感じが和らぎました。

お手洗いも自分で歩いて行けるようになりましたが、それ以外で歩くとふらふらします。

「一生このままだったらどうしよう」と夜になると一層不安になりマイナス思考ばかりです。

 

 

【6日目/入院4日目のメモ】

朝の検温37.5
夕方の検温37.6
耳閉感なし
みみなり少しあるが気にならない程度
めまいというか立った時にふらつく

 

この頃から日々出来ること、聞こえることが増えてきて少しずつですが病気と向き合っていこうという気持ちになりました。

ただ、発症してからこの時までずっとなぜか微熱が続きそれが気がかりでした。結局風邪でもなんでもなかったのですが、疲れが出てたのでしょうか。聴力に関わったらどうしようと不安に思いました。

 

4_治療開始

搬送されたのが土曜日だったこともあり、私の場合は本格的に治療を開始したのは発症からちょうど48時間後でした。

 

それまでは耳鼻科のない、内科の病院に入院していましたが、専門医の診察を受けるべく月曜になってすぐ大きな病院に運んでいただきました。

 

その時点で発症から2日ですが、いまだに寝返りをうつと吐き気、上体を起こすと嘔吐していました。回転性のめまいは止んでいました。

 

そのうち低い耳鳴りが始まりました。濡れた道路をトラックが走るような、低い音の耳鳴りです。それとともに、左耳だけ深海にいるような塞がった感じが酷くなりました。

 

自分で歩行することはできません。直立することもできません。車椅子での移動も、心が折れそうなくらい気持ち悪くて、辛かったです。

 

【発症から48時間の状態】

回転性のめまいは止んでいた

耳閉感が増した

低い音の耳鳴りが始まった

自分で動くことは無理

 

 

3_発症時

発症したのは2018年3月17日の14時頃です。

この記事を書いているおよそ1ヶ月前に発症しました。

 

発症時のことを少しお話しすると、私は電車に乗っており、ちょうど自宅最寄りの駅に到着したので電車から降り、ホームから改札に向かって歩いていました。

 

少し歩くと、足元がふらふらし始めました。

まっすぐ歩くことができずどんどん左に傾いていきます。そのうち回転性のめまいが始まり、数分後には立っていることができず、改札前で倒れてしまいました。

少しでも体を動かすと酷いめまいから、気分が悪くなり、吐き気をもよおします。

 

体が自分の思う通りに動きません。立ち上がることはおろか、頭を少し動かすこともできません。

そのうちに体の左側に違和感を覚えました。左側の手足が痺れて、救急隊の方の声が左の耳から全く聞こえません。体が異様に寒くなりました。

 

その時の私の考えは「これは脳の病気かな、半身不随になってしまうのかな、気持ち悪い、吐きそう、死にたくない、助けてほしい、怖い」こればかり考えていました。

まさか耳の病気とは露ほども思っておりませんでした。

 

自分の意思の通りに体が全く動かないというのはとにかく不安でした。死ぬかもしれないという怖さでいっぱいでした。もうあんな思い二度としたくありません。

 

【発症時の症状】

回転性のめまい

左側の耳が塞がった感じがする

左耳が全く聞こえない

酷い吐き気

 

2_当事者で素人の私が調べたこと

突発性難聴と診断され、不安で不安でたまらずスマホで調べた結果、医療的に正しいのかは別として、大まかに

 

① 発症から48時間以内に治療を開始すると治癒率が高い

 

②遅くとも1週間以内に治療を開始するべき

 

③初期にめまいの伴う場合は予後が悪い

 

④低音の難聴より高音の難聴の方が治りにくい

 

このような内容でした。

 

ちなみに、私は高音が聞き取れない難聴です。初期にめまいも伴いましたので、③の「予後が悪い」とは具体的にどういったことを指すのかがとても不安になり、よく落ち込みました。

 

ですから、このブログでは「予後」についてどのような経過をたどるかを中心に記録していきます。

 

1_あいさつ

このブログをご覧になっているのは、おそらく私の友人の他では、突発性難聴当事者の方もしくは近しい方で発症した方がいらっしゃる方がほとんどかと思います。

 

私は2018年3月17日に突発性難聴を発症し、いまも治療を続けており、これからも続けていきます。その中で自分の記録をすることが意義があるのではと感じこのブログを開設しました。

 

私は発症して以降、不安に思う気持ちから、スマホ突発性難聴について調べる毎日がしばらく続きました。

しかしながら、この病気の発症原因等がまだ不明故に、どの記事にもぼんやりとした同じことしか書いおらず不安を増幅させてしまいました。

 

同じ突発性難聴にも種類がいくつかあり、また、予後の聞こえ方も人それぞれ違います。

完治する人もいれば、後遺症が残る人もいます。

 

そのなかで当事者である私が発症から治療の経過まで記録することは、私にとってはもちろんのこと、発症後不安になってこのブログを見つけた方のなにか力になるのではないかと考えました。

 

あくまで一個人の記録にはなりますが、続けていけたらいいなと思います。